箱根旧街道を歩いてきました!
寒い日が続きますが、最近やたらと快晴が続いているので、運動もかねて箱根旧街道を歩いてみることにしました。
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概要
箱根越えは昔の人々には難所だったようで、少しでも歩きやすくするために石畳が敷かれたのですが、これが 箱根旧街道 の大きな特徴となっています。ただ、全部が石畳になっているわけではありません。
出発地点は本陣跡というところにしました。湯本から行くと、畑宿の一つ手前のバス停になります。ゴールは芦ノ湖のそばの箱根関所にしました。
神奈川県や箱根町が作っているウォーキングマップを見ると、箱根湯本からコースが設定されていますが、箱根湯本から畑宿までは、距離がかなり長いうえに、道が普通の道路のようなので、今回は省略しました。
それでも実際に歩いてみると、甘酒茶屋でまったりしすぎたせいもありますが、かなり時間がかかりました。湯本から歩くなら、朝に出発されることをお勧めします。ゆっくりしてたら特に冬季は日没までにたどり着けない可能性があります。
本陣跡から出発
出発の朝、準備に手間取ったこともあり(嫁が)、10時半ごろにやっと本陣跡にやって参りました。ちなみに本陣とは、旧名主の茗荷屋という屋号の屋敷跡だそうです。今回は私と女性スタッフ2人と嫁1人の4人で歩くことになりました。それでは出発です。
畑宿に行く途中、神社があったので寄ってみました。駒形神社というそうです。小さい神社ですが、歴史は長いみたいです。
少し歩くと、寄木細工を体験できるお店があって、その外壁に旧街道の地図が描かれていました。畑宿は寄木細工で有名な場所で、たくさんのお店が軒を連ねています。
寄木細工の歴史は古く、その記録は北条氏のころまでさかのぼるそうです。
畑宿から山の中へ
畑宿のバス停に着きました。ここからは山の中を歩くことになるのですが、ご親切に公衆トイレを作ってくれています。山に入る前に行っとけ、ということでしょうか。
側には守源寺という日蓮宗のお寺と、畑の茶屋という寄木細工のお店がありました。ここのお店は体験もできるようです。
一里塚がありました。残っているのはこの塚だけのようです。
さて、ここからは山道になります。足元に気をつけねば。
ずっと山道かと思ったら、箱根新道を越える陸橋を渡ります。
途中、石畳の排水構造についての解説があります。石畳を敷く前は、かなりの悪路で、ひどいときは膝までつかる泥道になったそうです。そのため、竹を敷いていましたが、大変な費用と労力だった、とありました。そんな状況だったので、石畳にするときも、排水にはかなり気を遣ったんでしょうね。
七曲り、橿木坂
階段を上がると、県道に出ました。ここからは、泣く子も黙る「七曲り」です。「この道を上るのか…」と思ったら、脇に階段がありました。これはうれしい!かなりの近道。車で通るときは全く気づきませんでした。でもこの階段がきつかった…。
少し登ってきました。山あいから遠く小田原(と思う)の街が見えます。
橿(かし)の木坂まで来ました。まだまだ階段が続きます。結構きつい。橿木坂と呼ばれ、東海道名所日記でも、ここが一番の難所とされ、「橿の木の さかをこゆれば くるしくて どんぐりほどの 涙こぼる」と詠われていたようです。
古めかしい看板を発見、甘酒茶屋まで1300メートル!
見晴らし茶屋、山根橋、甘酒橋、猿滑り坂
とその前に、見晴らし茶屋なるものを発見。ものすごい急ですが、階段があったので登ってみると、お店があり、さらにバス停もありました。が、この時期はお店を閉めているようです。
看板を見ると、営業期間は4月から11月、営業日は金土日月の週4日、しかも営業時間が11時半から15時と、かなり限られています。何とか都合をつけてまた来たいと思います。
それはそうとこの景色!その名に恥じぬ見晴らしです。さっきの小田原の街もですが、海まで見えます!
さて、さっき登ってきた急階段を、転げ落ちないよう慎重におりて、再び歩を進め、山根橋、甘酒橋を過ぎ、猿滑り坂というところまで来ました。猿でも登るのが難しいほどの難所、という所からきたそうです。確かにかなりきつくて、熱くなってきたので、思わず上着を脱ぎました。
甘酒茶屋から芦ノ湖
山道を抜け、普通の道を歩き始め、甘酒茶屋までもう少し、というところで風が強くなり、今度は急に寒くなってきて、あわてて上着を着ました。そしてついに甘酒茶屋が見えてきました。
ところで甘酒茶屋のすぐ手前に、追込み坂という坂もありました。この辺りは、親鸞聖人が弟子たちと別れた場所としても語り継がれています。
さらにこの地域は、「箱根二子山(ふたごやま)の風衝(ふうしょう)低木植物群落」として、神奈川県指定天然記念物となっているとのことです。
やっと旧街道休憩所につきました!あー疲れた。そしてそそくさと隣の甘酒茶屋へ。甘酒茶屋については別の記事で詳しくご紹介したいと思いますが、旧街道を往来する人々の憩いの場として親しまれてきたお店です。江戸時代には9軒あったそうですが、現在はこの一軒のみです。そして第十三代の若旦那さんとお会いしましたが、ものすごく親切な方でした!
甘酒茶屋でだいぶくつろいでしまいましたが、さらに歩を進め、再び山道へ入っていきます。元箱根まで40分とあります。このあたりの石畳は、江戸時代のものが現存しているそうです。
写真で見ると平らで歩きやすそうですが、実際はかなりボコボコで、歩きにくいので、脇の石が少ないところを歩きました。
二子山の解説がありました。そしてその奥が開けていて、山ののどかな雰囲気が味わえます。
さらに少し歩くと、旧街道についての解説がありました。
元箱根まで15分の地点まで来ました。
枝が邪魔をしていますが、ついに芦ノ湖が見えました!
芦ノ湖湖畔、恩賜公園、箱根関所
橋を渡って少し歩くと、巨大な杉並木があります。これらは江戸時代に人工的に植えられたそうです。
箱根の美しさを世界に紹介したことで知られる、バーニーとケンペルの記念碑もありました。バーニーはイギリス人、ケンペルはドイツ人だそうです。
箱根七福神の布袋尊が祀られている事でも有名な、興福院です。
芦ノ湖の湖畔に出て、少し歩くと大きな鳥居が見えてきました。
芦ノ湖と海賊船。
対岸の鳥居。よく見ると工事中のようです。
今回のトレッキングで初めてコンビニを発見!これだけ歩いてやっと1軒目…。セブンイレブン元箱根店です。
こちらは遊覧船。遊覧船は西武系列の伊豆箱根鉄道が、海賊船は小田急が運営しています。
今日は快晴で、見事な富士山を眺められました!
さらに湖畔沿いを歩き続け、恩賜公園までやってきました。ほぼゴールです。
恩賜公園の隣に箱根関所があります。写真の建物は入口近くのお土産屋さんです。
関所への入場は有料でして、中には入らず、ここで今回のトレッキングは終了です。
感想
所用時間は約4時間でした。甘酒茶屋でゆっくりしたのと、芦ノ湖についてから景色を見たり、お店を見たりでだいぶペースが落ちてこの時間です。
今回のトレッキングで、知られざる箱根の一面が見られて、非常に有意義でした。特に歴史的なことはほとんど知識がなかったので、長い歴史があるんだなぁ、と感心しました。
「箱根八里」という歌にある、「箱根の山は 天下の嶮」というとおり、この道を食料やらお土産やら何か知りませんけど、いろいろ担いで歩いた昔の人々は、本当に大変だったと思います。
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